タイトル:現に着物 銹波水明
素材:絹
技法: 筒描き、蒔糊、錆と植物染料を併用したオリジナルテクニック
サイズ:W108 × H144 ×D3(cm)
説明:
古着の鮫小紋の、鮫の肌が硬いことから鎧に例えられ、魔除けや厄除けとされる意味から連想し、常に流れ続ける淀みのない清らかな意味で古来より使用されている流水模様と波模様が複合的に用いられています。錆染めでモダンに波模様を描き、留まることなく画面の中で流れる流水模様を植物染料で染めあげることで、奥行きや高い透明感をもって仕上がっています。着物が古来より日本の民族衣装として着用また継承されてきた意味と同時に、現代において着物が「古いもの」であり本来の日常品としての工芸的意味とは異なって使用されていることへの皮肉も込めて、時間の経過を窺わせる錆染めが使用されています。また、古着を染直し新たな作品へと昇華させることと、植物染料と反応して錆の色が新たに変化することも対比となっており、錆と植物染料を併用したオリジナルテクニックの使用でノスタルジックな印象を「新しいもの」として表現しています。
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